読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Learning by Blogging.

経営学部で人材育成やリーダーシップ開発、キャリア教育について学ぶ大学5年生のブログ。

アクティブラーニングの第一歩!? 自分に最適な学び方を考えるワークショップをやってみた - Learning by ワークショップ事例のレポート。

コラム

イベントレポート:「- 2017年学びはじめ - Learning by XXX マナビをマナブワークショップ」当日プログラム編

前回の記事からまとめている1月5日(木)に実施したマナビをマナブワークショップイベントレポートとリフレクションに関する連載シリーズの第二段です。今回はワークショップのプログラムと当日に行った活動をご紹介したいと思います。

前回の「企画の意図編」はこちら 

shumpeioe.hatenablog.jp

 

ゲストファシリテーター:大村美咲さん(ダンスインストラクター)

2015年にこのワークショップを実施した際には、僕が企画から運営、そして当日のファシリテーターまで一気通貫で行っていました。

しかし、今回はご自身もダンサーとして活躍する傍ら、ダンスインストラクターとして幅広い年代に対してレッスン・振り付けを行っている大村美咲さんをゲストファシリテーターとしてお招きし、二人でプログラムを進行しました。

実は、大村さんは僕の高校時代の同級生で同じ英語部に所属していました。高校の同級生とこうして改めてご一緒できるのはとても嬉しいですね。

f:id:shumpeioe:20170110193819j:plain

前回もお伝えした通り、マナビをマナブワークショップでは、高校生・大学生・社会人が一緒にワークショップに参加できるように活動をデザインしています。

普段交流することが少ない、年代や立場の異なる人たちが共に活動をしていく中で、自分自身の日頃の勉強や学びに関する経験をテーマに対話をする機会を作ることがねらいです。

今回のワークショップでは、「自分にとって最適な学び方」を考えるということを目的に置き、①日頃の学習に関する経験を振り返り言語化すること、②学習環境デザインの視点を学び自分の学びのスタイルを考えること、を目指した7つの活動からプログラムを構成しています。

ここからはプログラムの順を追って、当日の様子を紹介していきたいと思います。

1. イントロダクション

はじめに、ワークショップの冒頭にイントロダクションとして、三つのことを参加者の皆さんにお伝えさせていただきました。

まずはマナビをマナブワークショップのグランドルールです。さまざまなバックグラウンドを持つ方が一日を通して一緒に活動する上で大切にしたい価値観、のようなものです。

二つめはワークショップを通して取り扱う「学び」というキーワードに対する導入とワークショップを企画するにあたって趣旨です。

そして最後は一日を通して到達したいゴールイメージとそれを実現するために行う活動をタイムテーブルとしてご紹介しました。タイムテーブルはワークショップデザインで用いられる「イタリアンミールモデル」になぞらえて説明をしました。

f:id:shumpeioe:20170110192846j:plain

2. アイスブレーキング

ここでは参加者同士の関係性をほぐすことや参加者の方々が持っている緊張や不安をほぐしていくことを目的にしています。

また今回は後半のトーキングライブの中で大村さんと僕からの共通したメッセージとして「学びを考える上で身体や心の働きも大切な要因の一つになる」「普段やらないことにも背伸びをして挑戦する経験が大切」という内容が含まれていたため、身体を動かす活動をワークショップの中に多く取り入れました。

「皆さん!思い切り手を伸ばしてみましょう!」「いいですねー!次は皆さんのいい笑顔を見せてください!」「目を瞑って片足立ちで10秒カウントしましょう!」といった具合にアイスブレーキングでも、音楽に併せてダンスレッスンの中で行うストレッチを実施してみました。

こちらは大村さんのファシリテーションでしたが、さすがプロのインストラクターです。音楽が流れはじめた当初は不安そうな顔をしていた参加者の方も、簡単なストレッチをいくつも体験していく中で表情も和らいで笑いながら取り組んでいました。

f:id:shumpeioe:20170108180128j:plain

3. ショーアンドテル

ここから少しずつ「学び」というテーマに沿った活動に入っていきます。まずは参加者の皆さんに日頃の学びに関する体験を写真を使って振り返っていただく活動です。

参加者には自分のスマートフォンに保存されている写真の中から「学び」にまつわる写真を3枚探してもらい、その様子をグループメンバーに対して説明をしてもらいました。

「大学の長期休みを使って無人島に行ってきたときの写真で、サバイバルの過酷さを学んだ。」「IT系のカンファレンスイベントに参加したときの写真で、トップエンジニアの技術を見せられ、自分との実力差を見せつけられた。」と大学生ならでは、社会人ならではと言える経験がそれぞれ話題に上がっていました。

その後、グループ内でお互いの話を聞いて、自分以外のメンバーがどんな学び方をしているか、一言キーワードで表すとしたらどんな内容かをシェアしてもらいました。

こうして、自分自身の普段の学びに関する体験を振り返り、他者に向けて語るという行為を通じて、自分が経験した出来事を抽象化してそこから教訓を引き出す、という経験学習の過程を体験してもらいました。

f:id:shumpeioe:20170110194907j:plain

4. トーキングライブ①

f:id:shumpeioe:20170110200026j:plain

続いてはトーキングライブということで、ゲストファシリテーターの大村美咲さんからダンスインストラクターとして日々「人を育てる」「人の学びを支援する」ことに向き合う中で考えていることをお話していただきました。

事前の打ち合わせの段階で、内容についてリクエストさせていただいたポイントは三点ありました。一つめは「ご自身の経歴と実践について」、二つめはダンスインストラクターとして未就学児から60歳を超える方まで幅広い年齢層の生徒を持ち、ダンスを指導する上で感じる年代ごとの違いやそれを指導にどのように反映させているか」、そして三つめは「人の成長を支援するインストラクターとしての自分自身がどのように学び、自分の成長を実現しているか」という点です。

まだ高校三年生だった18歳の頃からプロのインストラクターとして、生徒の指導を担当しお給料を頂いてきたという大村さんがお話して下さった内容のポイントだけを絞ってお伝えすると、次のようなものになるかと思います。

  • ダンスを楽しいと思ってくれる工夫をどの年代にも取り入れている
  • 年齢やライフステージごとにダンスを習う目的や環境が大きく変わるため、自分の指導の幅や引き出しをいくつも持てるように日々考えている
  • 特に子ども向けのレッスンでは、できるかできないか際どいラインの挑戦的な課題を出していくことで困難なことに向き合う力を養うことをねらいにしている
  • 練習内容や方法について子どもたち同士で話し合わせたり、役割を決めさせたりすることでリーダーシップや他者との対話や関わりを学ばせている
  • 大人向けのレッスンでは「お土産」というその日のレッスンに出てよかったと思えるプチ情報を必ず伝えるようにしている

こうした大村さんによるトーキングライブの内容には、北海道大学大学院の松尾睦先生が提唱されている「経験から学ぶ力」の三要素である「ストレッチ・リフレクション・エンジョイメント」がいずれも含まれていました。

また、ダンスを通じて生まれる周囲との関わり合いの中でチームで協力することやリーダーシップを学ぶという点については、学校の外の、しかも教科学習ではない場所で実践されているアクティブラーニングの事例と言えるのではないでしょうか。

また、インストラクターとしていくつもの引き出しを用意して生徒に合わせて指導方法を変えているという話は、今回のワークショップで扱っている「自分にとって最適な学び方」に応えている素晴らしい実践でした。

5. カード de トーク

これまでが日頃の学習に関する経験を振り返り言語化することをねらいとした活動でしたが、この「カード de トーク」からはいよいよ自分にとって最適な学び方を考えていく活動に移ります。

自分にとって最適な学び方を考える上で、今回は「学びのスタイル」という概念を用いて、様々な人たちの学びのスタイルを考えるという活動を行いました。

学習環境デザインの知見を応用し学びのスタイルは「道具・人・場所・行動」の四要素から構成されるものとし、それぞれの要素に対してあらかじめ用意された選択肢から当てはまるものを選ぶという内容です。

例えば、幼稚園児の学びのスタイルを例に挙げれば、「おもちゃを使って、親と一緒に、家で、遊ぶ」ことが幼稚園児の学びのスタイルと言えるかと思います。

まずは、これを「東大を目指す受験生(高校生)」「就職活動中の大学4年生(大学生)」「修行中の大工見習い(社会人)」といった具合に練習問題を重ねて行くことでワークの進め方に慣れてもらいました。

f:id:shumpeioe:20170110202706j:plain

f:id:shumpeioe:20170110202643j:plain

こうして様々な文脈に置かれた立場の異なる人たちを「学びのスタイル」という観点から見てみると、本当に異なる学び方や環境が求められていることが明らかになりました。このワーク、ここまででもとても面白い活動になっています。

f:id:shumpeioe:20170110203411j:plain

そして、その後いよいよ「自分の学びのスタイル」ということで、同様に道具・人・場所・行動の四つの視点から自分の学びを構成している要素はどのようなものか、ということを考えました。

「自分の身体を使って、これまで出会ってきた人たちや先人たちと、世界中のあらゆるところで、旅をしながら修羅場をくぐる」ことが学びのスタイルという大学生もいましたし、大村さんは「自分の頭と身体を使って、先生や仲間たちと一緒に、ダンススタジオで、踊る」ことが学びのスタイルだと仰っていました。

f:id:shumpeioe:20170110204102j:plain

「カード de トーク」の後半では、参加者の皆さんに自分たちの考えた学びのスタイルを即興演劇にして表現してみるというインプロに挑戦して貰いました。

皆さんにやって頂くに当たって自分は高みの見物とはいかず、お手本を見せる形で僕も大村さんの学びのスタイルをインプロしてみたのが上の写真です。大村さんに恋ダンスを教えているところです。

このインプロも「学びと身体の関係」「ドキドキする背伸びの経験」を狙って取り入れたものですが、もしかすると参加者の皆さん以上に僕にとってもストレッチ経験になっていたかと思います。笑

6. トーキングライブ②

f:id:shumpeioe:20170110205350j:plain

二回目のトーキングライブでは、僕の方から「社会へつなぐ活きる学びをどうやって学生時代から積み重ねていくか」として、教育現場から働く環境へのトランジションに関する研究知見を交えてお伝えさせて頂きながら、一日の活動をラップアップしていきました。

f:id:shumpeioe:20170110205221j:plain

7. リフレクティブダイアログ

最後は、参加者の皆さんにワークショップを通して考えたことや感じたことと合わせて、2017年の目標と自分自身の学びのスタイルについて、一人ずつお話をして頂きました。

参加者の皆さんからは、「こうして改めて自分の学びや勉強してきたことを色んな視点から振り返ることができて面白かった」「今は自分の学びのスタイルに合った形でいろんな経験ができているけれど、これから就職するに当たって別のスタイルも身に付けていきたい」といった感想を頂きました。

 

さて、今回はマナビをマナブワークショップ当日の様子をまとめてみました。前回の「企画の意図編」でも書きましたが、実際にワークショップを行ったことでこのプログラムが持つ発展性や拡張性に気付くことができました。

一つめは、このプログラムが持つ高校生・大学生に対する「キャリア教育」としての有用性です。高校生・大学生・社会人が一緒に活動を行うこと、そして社会人の皆さんが働くことや働く場で経験していること、あるいは学んでいることについて話をするということが実際に「働く」というイメージを持てていない段階の高校生・大学生にとって非常に有益な場になると感じています。

二つめは、多少野心的な思惑ではありますが、このワークショップを継続して取り組むことで多様な業種業界、職種で働く社会人の方々に参加頂くことで、就活情報サイトには掲載されない「〇〇業界の学びのスタイル」という新しい軸で、様々な職場環境の実態を明らかにすることができるのではないか、ということです。

三つめは、これもかなり挑戦的ではあると思いながらも、高校や大学でのアクティブラーニングの実践としてのパッケージ化やそれらを担当する教員研修の機会としての活用ができるのではないかと感じています。このワークショップで取り組む「自分にとって最適な学び方を知る」ということは主体的な学びを促す第一歩ではないかと思います。このやり方が自分には合っている、というものが分かれば意識的にそうした学び方や学びの環境を選択できる機会が増えていくのでは、という目論みです。

 

最後は暴論が過ぎてしまい反省していますが、まだまだ至らない点や改善の余地が多く残っているものの、このプログラムを通して何らか価値は生み出せそうだなと感じていますので、今後も継続して実施していきたいと思います。

高校・大学でキャリア教育やアクティブラーニングを担当されている方や企業で研修開発を行われている方、高校や大学の同窓会コミュニティで年代を越えた繋がりを作りたいという方など、ご関心頂けましたらぜひご一報頂けますと幸いです。

 

自分にぴったりの学びのスタイルを見つけよう!

"As long as you keep on learning, you are a winner."

 

▽参考にした文献

「経験学習」入門

「経験学習」入門

 

 

▽「マナビをマナブワークショップ」次回開催のご案内です

docs.google.com

3月12日(日)午後に札幌市内で今回と同内容のワークショップを実施する予定です。ご参加頂ける高校生・大学生・社会人の方を募集しています。

 

▽「アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ」絶賛販売中

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ

 

 掲載されているワークショップの運営のお手伝いなどで関わらせて頂いた書籍です。

 

▽「自己紹介」「実践・活動」についてまとめました

shumpeioe.hatenablog.jp 

shumpeioe.hatenablog.jp