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Learning by Blogging.

経営学部で人材育成やリーダーシップ開発、キャリア教育について学ぶ大学5年生のブログ。

一石X鳥の効果的なアイスブレーキングとは!? 毎回同じネタの使い回しから脱却するための4つのポイント - Learning by 落語のまくら。

コラム

新年あけましておめでとうございます。

皆さんはこの年末年始をどのようにお過ごしでしょうか。僕は、今日から地元北海道に帰省をしているのですが、北海道、めちゃくちゃ寒いです。

僕の中の道産子としてのアイデンティティはすっかりどこかへ消えてしまったようで、「この寒さ、どうにかならんものかな」と考えていた折、「そうだ、今日はアイスブレーキングの話を書こう」となり、連想ゲームのごとくテーマが決まったところで今年のブログ始めです。

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北海道が寒すぎるから、アイスブレーキングの話

最近ではファシリテーションのノウハウが広く共有され、ワークショップや会議など様々な機会で「アイスブレーキング」が盛り込まれることが多くなりました。

まずもって、「アイスブレーキング」とは、コミュニケーションしやすい雰囲気を生み出し、話し合うきっかけを作るための簡易的なゲームやクイズ、運動などのことです。初対面の人同士が集まる際など、人と人とのわだかまりを和らげ、そこに集まった目的を達成するよう積極的に参加者に関わってもらえるよう促す技術と言えるでしょう。

一口にアイスブレーキングと言っても、様々なタイプのものがあり、日本ファシリテーション協会によると「ほぐし系」「紹介系」「悟り系」という分類があるようです。こうした分類法が生まれるほど、アイスブレーキングのアクティビティやその運用方法は多様化しています。

自身で研修を行ったり、会議やワークショップでを企画した経験のある方なら一度くらいは自分でもこうした既存のノウハウを参考にしたことがあるのではないでしょうか。

こうしてノウハウが蓄積され、共有されることで学習する環境が向上していくこと自体はとても素晴らしいことですが、反面、広く知られているアイスブレーキングの手法を同じようにそのまま導入しているだけでは、まだまだ工夫の余地があります。

そもそも、いいアイスブレーキングって何なのか?アイスブレーキングを効果的に実践するにはどんなことに気をつけたらいい?

今日はそのヒントを探してみましょう。

 

落語に学ぶ、効果的なアイスブレーキングのデザイン

落語のこと

アイスブレーキングについて考えるにあたって取り上げたいのが、古典芸能「落語」です。皆さんは落語を聞いたことがありますか?

 

落語に馴染みがある方は多くないかと思いますので、まずは、落語の構成について、簡単に説明をしていきたいと思います。

落語の噺には、基本的な構成が存在します。「枕・本編・サゲ」の三部構造です。それぞれ、導入部、本題、そして噺の締めくくりであり、笑いどころという役割があります。サゲについては「落ち」という言い方が馴染みがあるでしょうか。

落語は、この「枕・本編・サゲ」の三つをそれぞれ分裂させることなく、一連の流れで話をします。淀みない流れの中で、一席の落語が出来上がるのです。

 

中でも「枕」と呼ばれる冒頭の導入部分は、落語家が観客に対して「満員のお運び、ありがとうございます」と謝辞を述べたり、小話をして客席の空気をほぐしたりとその日の場の雰囲気を大きく左右します。落語家にとってはその時々の会場の様子を掴む上で非常に重要なパートと言えます。

通常、枕には二つの機能があります。

それは「ネタ振り」「解説」です。

 

基本的に枕では、本編のネタと関連する小話を披露します。つまり、本編で魚の話をするのに、枕でまったく関係のない花や鳥の話はしない訳です。魚に関する小話をしたり、笑いを交えながら魚に関する時世の話をしていきます。

例えば、死神に出会って病を治す呪文を教わった貧乏人が医者として大金を稼ぎ、次第に欲望にまみれていく様子を描いた「死神」というお話の枕は次のような感じです。

日本では神様を八百万の神々と申します。ところが同じ神様でもあんまり人の喜ばない神様をいます。風邪の神だとか、あるいは手水鉢の神、貧乏神、疫病神、死神なんという。ええ、こういうのは人に歓迎されませんでした。偽りのある世なりけり神無月、貧乏神は身をも離れずなんという狂歌がございますが…

このとおり、今日はこれから神様にまつわるお話をしますよ、とネタ振りをしていることが分かるかと思います。 

 

また、落語では現在は馴染みのない文化や風習、言葉が笑いのネタになっていることが少なくありません。観客がこうしたネタを知らないまま本編を聞いても笑いどころがわからないので、枕の段階でそれとなく解説をしていくことがあります。

このように落語における枕は、お客さんが本編に入りやすいように、聞き入りやすいように導いてあげる役割を持っているのです。さりげなく、それとなく、巧みに、枕から本編に移っていき、観客を引き込むことができる噺家は優れた落語家と言われます。

 

いいアイスブレーキングといい枕の4つの共通点

実は、よく設計されたワークショップでのアイスブレーキングは、落語でいうところの枕と同じ役割を果たします。いいアイスブレーキングといい落語の枕には、次の4つの共通点があります。

  1. 参加者、観客の緊張を和らげること
  2. 本編となるコンテンツ、そこから得られる意味付けと一連の流れを持っていること
  3. 本編に対するネタ振り、解説になっていること
  4. その場の雰囲気を見て、アレンジできる余白が残っていること

 

冒頭で、広く知られているアイスブレーキングの手法を同じようにそのまま導入しているだけでは、まだまだ工夫の余地がある、とお伝えしたのは、

「最近よくありがちなアイスブレーキングは1.しか満たしていないよね」という危惧と、その課題を打破するための「一石X鳥を狙う設計」がいいアイスブレーキングには必要だ、というメッセージでした。

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既存のありふれた手法をそのまま使うのではなく、アイスブレーキングを実施する目的とその後の本編との連動を意識して自前でアクティビティを設計する方が大きな効果が見込めます。

また、そうして作ったアクティビティで実際に行った際、参加者が意図していた通りに狙っていた目的を次々と達成して、まさに一石二鳥、三鳥にもなっていく様子を見ているときの爽快感は至福です。笑

今後、なにか打ち合わせやワークショップを企画し、アイスブレーキングを考える機会があれば、ぜひアイスブレーキングの活動から設計してみてください。

 

さて、新年最初の記事は研修やワークショップを行う際に行われる「アイスブレーキング」について「落語」の「枕」をもとに考えてみました。

明日も引き続き、アイスブレーキングについて考えていきたいと思います。今日整理した4つのポイントを踏まえて、僕が過去に行った「レゴ伝言」というアイスブレーキングの事例を紹介したいと思います。

 

僕は、たびたび寄席に通うほど落語が好きです。最近では、落語家さんをゲストに招いたトークイベントやワークショップも見かけるになりました。僕もそういった企画を今年は実施してみたいなと思っています。

また、こちらのブログでは今年もこうして「大人も子どもも自分に合った形で学び続けられる世界観」を目指して、「人材育成」「組織開発」「学びの場づくり」「ワークショップ」「学習環境デザイン」などをテーマに、記事を書いていこうと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

ネタ振りと解説を駆使して、いいアイスブレーキングを!

"As long as you keep on learning, you are a winner."

 

▽参考にした文献

FAJ:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会 - ツール

ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)

ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)

 

 

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アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ

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掲載されているワークショップの運営のお手伝いなどで関わらせて頂いた書籍です。 

 

▽「自己紹介」「実践・活動」をまとめました

shumpeioe.hatenablog.jp 

shumpeioe.hatenablog.jp