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Learning by Blogging.

経営学部で人材育成やリーダーシップ開発、キャリア教育について学ぶ大学5年生のブログ。

経験を振り返ることで学びに繋がる!? 効果的なリフレクションの方法 - Learning by 前向きリフレクション。

今年も残すところ、一週間となりました。既に年末休暇という方もいるのではないかと思います。少しずつ年の瀬も近づいてきたことで、最近ちらほらとSNS上でも今年一年を振り返る内容の投稿を見かけるようになりました。

次々と投稿される、友人・知人たちや同僚による「私のリフレクション」を読む度に、自分も何か書きたいなと思う反面、同時に「リフレクションって本当はどう進めたらいいんだろう?」と疑問を感じる人もいるのではないでしょうか。

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かくいう僕自身もリフレクションに苦手意識を感じることがあります。

日々「退勤時にその一日の業務をリフレクションを行い、それを基にメンターと対話をする」という習慣があるものの、すぐにその日働く中で気付いたことや次に活かしていきたいことが思い浮かばず、頭を抱えてしまうことがあります。

そもそも、いいリフレクションって何なのか?リフレクションを有意義に行うためには何に気をつけたらいい?

今日はそのヒントを探してみましょう。

 

まず、リフレクションの重要性について、改めて簡単に触れておくことにします。

働く大人の学習は、学校などによる「教育によらない学習」がほとんどで、自発的なものであることが求められています。つまり、大人が学ぶためには、「日々の生活や体験の中から教訓を得ること」「自らを強く動機付けしていくこと」が必要になってくると言われています。

この「教訓を得る」「自ら動機付けをする」というふたつの観点から考えると、リフレクションの重要性を見出すことができます。

 

経験学習モデルを提唱しているコルブによると、経験学習とは、①実践、②経験、③省察、④概念化という四段階のプロセスからなると言われています。

中でも、特に省察、ここで言う「リフレクション」が重要です。リフレクションを行うことで自分の経験から、教訓を得て、それを他の場面でも応用可能な法則、「マイセオリー」の獲得を目指します。

また、リフレクションを行う習慣は、個人のキャリア観の確立を促すことも明らかになっています。リフレクションを通して、自身の専門性や得意領域の認識が進み、そのことが自分の強みを活かせる活動を行う動機付けに繋がるためです。

 

ここまでは、簡単にではありますが、働く大人の学習において、なぜリフレクションが重要になるかを整理しました。リフレクションが「埋もれた教訓を見出す」 「セルフモチベート」に繋がり、大人の学びに欠かせないことがわかったと思います。

 

長い前置きになりましたが、ここからが本題です。大人の学習に関する研究では、省察にはふたつの側面があると言われています。

  1. 振り返り的省察
  2. 見通し的省察

まずは、それぞれがどのようなものか説明をします。

振り返り的省察

振り返り的省察は、体験を解釈して深い洞察を得ることである。実践経験をしたあとで、その経験を吟味、解釈して、洞察や教訓を得ること。(楠見)

振り返り的省察の視点は、過去の経験にあります。例えば、冒頭に挙げた僕自身の業務習慣がまさにこれに当てはまります。これまでに自分が経験したことに光を当て、改めて解釈し、そこから何が学べるのかを考えることが振り返り的省察です。

見通し的省察

見通し的省察は、未来に向けて、実践の可能性について考えを深めることである。特に失敗から学ぶ場合は、第一の振り返り的洞察にもとづいて、プランを修正し、行動を改善することが重要である。(楠見)

見通し的省察の視点は、未来の予測にあります。将来起こりそうなことを想定し、その際に役に立つであろう教訓を過去の経験から引き出し、蓄積していくことが見通し的省察です。

 

いいリフレクションは、このふたつを組み合わせた、将来時点での自分の振る舞いや考え方の変容に繋がる可能性が高いもの、と言えるのではないでしょうか。

つまり、

「今日は〇〇をした。以上。」

という、単に起こった出来事や自分の行動について振り返るだけでは意味がなく、

「今日は〇〇をした。そこで▲▲なことがわかった。次に××な状況で活かせそうだ。」

といった具合に、過去を振り返ることに併せて、次にどうするかと想定をすることが重要だということです。

 

はじめに紹介したように、僕自身が感じていたリフレクションに対する苦手意識は「未来に対する視点の欠如」が原因でした。 これまで行っていたリフレクションは次のようなものです。

2016年10月13日 振り返り

  • 〇〇について、やるべき業務の整理があらかじめできていなかったため、着手した後に手間取った。
  • ▲▲について、つくるもののアウトプットイメージが曖昧だったために、作業が進まなかった。

未来視点がないどころか、出来事を記述しているだけで、何も教訓も引き出せていませんね。トホホ。

 

僕は、今後は、次のような形でリフレクションの内容を記録しておくように、振り返りの方法を変えようと思います。

 

■リフレクションは次にどうするかという原理原則/教訓を書き残す

 ・具体的な行動のイメージを例として挙げる

 ・なぜその教訓が重要なのか意味合いを書く

 ・気付きのきっかけになった出来事や経験を書く

 

過去のダメダメなリフレクションをあえて書き直すとすれば、こんな感じでしょうか。

 

■どんな業務もやみくもに着手せず、事前にやるべきことを整理する

 ・上司から仕事を頼まれた場合に、プロセスをイメージして、やるべきことの全体を捉えて、擦り合わせをした上で着手する。

 ・上司が想定していたアウトプットと方向性がずれないようにするため。また、着手した後に時間をムダにせず、効率的に業務を進めるため。

 ・〇〇について、やるべき業務の整理ができておらず、着手後に手間取って時間が掛かった。

 

過去のできごとに目を向けて、改めて解釈して教訓を引き出し、将来の自分にとって役立つように、残しておく。

いいリフレクションは未来の自分に対するプレゼントのようなものです。

一年の終わりに、今年もよく頑張った自分を労り、褒めつつ、新しい一年を迎える自分に役立つプレゼントを贈るつもりで、未来志向のリフレクションを実践してみてください。

 

新年に向けて、レッツ前向きリフレクション!

"As long as you keep on learning, you are a winner."

 

▽参考にした文献 

「学び」の認知科学事典

「学び」の認知科学事典

 

 大人の学び 熟達化と市民リテラシー

(楠見孝, 「『学び』の認知科学事典」, p250-263)

企業で働く個人の「キャリア確立」を促す学習環境に関する研究

(荒木淳子, 日本教育工学会論文誌 31号, p15-27)

アクティブラーニング温泉に「湯あたり」しちゃって生まれる「リフレクション疲れ」!? | 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する

リフレクションの展覧会!?で感じた「野生の思考」!? | 東京大学 中原淳研究室 - 大人の学びを科学する

「同じ体験」から「よく学べる人」と「そうでない人」の違いと、そのトレーニング方法とは? | tate-lab:舘野泰一

「振り返り」をどのようにデザインするか?:「重たい反省会」は学びにつながるか | tate-lab:舘野泰一

 

▽「アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ」絶賛発売中

アクティブトランジション 働くためのウォーミングアップ

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 掲載されているワークショップの運営などで関わらせて頂いた書籍です。

 

▽「自己紹介」「実践・活動」をまとめました。

shumpeioe.hatenablog.jp

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